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2006年12月26日 (火)

浅田次郎 泣かせるぜ

Photo_47 きょうは年内最後の里芋掘りをする予定だったが、雨だから中止。
 しかしよく降るねえ。クリスマスを過ぎた年の瀬に、こんなまとまった雨が降るなんて。
 しかも暖かい。

 浅田次郎の小説を原作にした映画の話をしていたところであった。

 写真のオッサンがベストセラー作家、浅田次郎さん。

 1999年制作の映画「鉄道員(ぽっぽや)」を、なぜ今ごろ観たのかというと、太田イオンシネマの開館3周年記念企画だとかで、過去の名作を500円で上映していたのであった。11月末で終了。

 このとき、上映直前に火災報知装置が作動するハプニングがあった。

 「火災が発生しました。係員の誘導に従って避難してください」とテープ放送も流れたのである。
 前列にいた女性が「出たほうがいいですかね?」と聞いてきた。
 見ず知らずの人にそんなことを相談されても困る。
 そんなことは自分のアタマで即座に判断しないと、万が一のときに命を落とすぞ。

 ロビーに出た。
 じっさいには何もなく誤作動と分かった。
 それで、イオンシネマからは「お詫びに」と、観客一人ひとりに招待券1枚が渡された。
 いろいろなことがあるものである。

 ワタシの観ようとしていた「鉄道員(ぽっぽや)」はまだ上映が始まる直前で、中断された訳ではなかった。
 ほかのスクリーンでは中断もあったようだ。
 結果的にはラッキーであった。

 このときロビーに飛び出してきたかたがたの様子を見ると。
 「プラダを着た悪魔」を観にきていたオネエサマ、オバサマの数が圧倒的であった。

 水曜日だから、レディースデーだったのね。

 まったく平日の午前中から、いいご身分である。
 こっちもだが。

 浅田次郎原作の大人のファンタジーといえば、「地下鉄(メトロ)に乗って」もそうなのだが、これは観るつもりはない。

 女優の岡本綾が好きじゃないのである。
 つまらなそう。

 中村獅童の酒気帯び運転事件では少し見直したけど。

 こういっちゃなんだが、郵便局とか農協のポスターで微笑んでいるのがお似合いじゃないの?
 いい女ぶってもサマにならないのである。
 誤解でしょうか。
 そのほかの役者はいい。堤真一、田中泯、笹野高史なんかはぜひ観たい役者さんなのだが。

 浅田次郎の直木賞受賞作「鉄道員(ぽっぽや)」は、ご存じのとおり「泣かせ」の短編集である。

 ホントに泣いちゃうから、夜中にでも一人隠れて読むのがよろしい。

 表題作「鉄道員」もいいけどね。
 この短編集に収められている「ラブ・レター」には号泣した。
 たまらん。
 うまい。うますぎるぞ浅田。

 中国人の出稼ぎホステスと偽装結婚したチンピラヤクザの話。

 死んだホステスが書き残した恋文。

 余談だが。
 大学の教育学部国語科の講義で「恋文」を取り上げたときに、この「ラブ・レター」の恋文を教授が朗読したんだそうである。
 教授は朗読の途中、思わず声を詰まらせ、涙ぐんでしまったそうな。

 恐ろしい威力である。
 チンピラヤクザもたまらず心を入れかえて足を洗っちゃうよ。

 で。
 「ラブ・レター」も中井貴一主演で映画化されたんだが、評判はよろしくなかったそうである。
 それはそうでしょう。
 原作を読んだ人が観たら、もうそれは、ものすごい思い入れがあるわけだから。「全然違う!」ってことになっちゃう。

 それにだいいち、ミスキャストである。
 中井貴一がどこをどうやったって、歌舞伎町のチンピラヤクザには見えないでしょう。
 最初から誠実そうなチンピラ、既に「改心済み」のヤクザである。

 いくらワルぶったって、スゴんだって、ホントはいい人なんでしょ。
 最後は善人になっちゃうんでしょ。

 ちなみに、「鉄道員」も「ラブ・レター」も映画化のほか、舞台演劇にも、マンガ作品にもなっているそうである。
 いろんなことを考えるクリエーターがいるものだ。

 なかなか「007」の話に行けないな。

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