3月1日、渓流釣り解禁。
解禁後初の日曜日であり、ヤマメ成魚の放流日となった4日。
桐生川上流へ様子を見に出かけた。
群馬県内では数年前まで、渓流釣りの解禁日は3月20日であった。
それが、釣り客らへのアピールのためであろうか、解禁日が早まったのである。
群馬県漁業調整規則などの変更が行われ、禁漁期間も変わった。
渓流魚といえば、ヤマメ、イワナ。
特にヤマメは美しく、釣って楽しく、食べておいしい。
食味は、イワナとまたひと味違う。
ワタシも、かつては渓流釣りを趣味としていたのである。
特に30代のころ。
独学で、我流で。
だから、あまり釣れない。
釣りみたいな遊びは、いや何の遊びでもそうだろうが、スポーツと同じで、技術の差がものすごく出るのである。
ウマイ、ヘタは道具を手にした姿だけで分かるものだ。
釣りの場合だったら、竿を構えたその立ち方で。
あるとき見回りに来た漁協の役員に言われた。
「それじゃあ、あんまり釣れねえダンベ」
まあね。
下手(へた)の横好き、ってことで。
近年はね、ちょっと川から遠ざかっていたのです。
川釣りだって料金がかかるのよ。
それに野山歩きを始めちゃったし。
同じネイチャー系、アウトドア系でも方向性が異なるのです。
最後に桐生川でヤマメを釣ったのは、もう2年前。
2005年の5月9日(月)であった。
「行動の記録」ノートに書いてある。
しかし。
今年はやるぞ。
そういうわけで、きのう下見をしに出かけたわけだ。
馬立隧道を抜ける。
橋場橋あたり。釣り人のクルマが多い。
梅田ふるさとセンターあたり。特に釣り人が多い。
一つのポイントに二、三人が並んでいたり。
上の道路から見ると、けさ放流したヤマメが泳いでいるのが分かる。
けっこう釣れている。
明らかに放流ヤマメである。
大きくて形が揃っている。
こうなると果たして
渓流釣りなのか、管理釣り堀なのか。
馬立橋~蛇留淵橋の区間は、ワタシの好きなポイントである。
川が道路から離れていて。
少し静か。
流れが蛇行し、岩場と淵と瀬の変化がおもしろい。
上の写真の釣り人。
この写真を取った直後に、その淵のポイントで一匹釣りました。
目印になる大きな滑滝のポイントに、中年夫婦が陣取っていた。
最近は女の人もやるんだねえ。
かなりの数が釣れている。
魚籠を見せてもらったら、いい形のヤマメが20匹ほども。
それをもう現場で解体して、内臓を取り始めたよ。
道路が拡張された高仁田橋あたりから清風園。
津久原橋から梅北山の家。
そういえば、梅北山の家は近々取り壊されるんだってね。
これだけ老朽化して、よく今まで建ってたな。
昔、梅田北小学校だった、という。
過疎で廃校になり、その校舎を青少年宿泊研修施設にして「梅北山の家」。
泊まったなあ。小学生だか中学生のとき。
「梅北山の家の七不思議」なんてのがあって。
端っこに寝かされたので怖かった。
隣の布団に寝ていたのがシミズケイジ君だった、なんていう変なことを憶えているものだ。
裏に長谷寺というお寺がある。
このへんもいい釣り場だ。
県外ナンバーも多い。「とちぎ」「熊谷」「春日部」
川へ下りて昼食。
ほっかほっか亭ののり弁当(290円)。
下見はしてみたが。
どうも違うな。
こう人が多くてはダメだな。
もう少し経って、解禁直後の騒ぎが収まってからだ。
下品な釣り師も多いな。
くわえたばこのオッサン。困るよ。ホントに。
ワタシの求める釣り。
まあ、イメージだけ勝手に言うならばだ。
深山幽谷に幻の美魚を探し求める、静謐、優美な、文字どおりの渓流の釣り。
洋モノで言うならばだ。
映画「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992年)の世界。
監督ロバート・レッドフォード
主演ブラッド・ピット
(この映画はフライフィッシングだが、ワタシはふつうの、単なる和式のミャク釣りです)
とにかく絵の美しい、詩的な映画であった。
美しさに泣けた。
A River Runs Through It
川が流れ過ぎていく「It」とは
もちろん
「人生」のことである。
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